パネルディスカッション 

「シミュレーションが先導する未来社会」

日時 2008年5月19日(月)15:40-17:20
会場 小ホール (参加費無料)

企画主旨

 日本計算工学会が参加する横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)では,経済産業省から委託事業として,2007年度において分野横断型アカデミック・ロードマップの作成を行った.ロードマップとは,将来期待される成果や,それを実現するために必要な要素技術や方策などを時間軸に沿って記述することにより,一丸となって目指す将来目標と,そこに到達するまでの道順を明確化しようとするものである.今回の横幹連合による分野横断型アカデミック・ロードマップにおいては,30年先の将来を見据えて,学術的な観点を中心とした目標設定と技術課題の抽出を目指し,「制御に関する分野」「シミュレーションに関する分野」「ヒューマンインタフェースに関する分野」「ものづくりに関する分野」の4つの横断型分野が設定され,作業が行われた.

 本パネルディスカッションでは,このなかのシミュレーション学会を幹事学会とし,日本計算工学会も協力し取りまとめられた「シミュレーションに関する分野」の内容の一部を報告するとともに,このアカデミック・ロードマップのテーマとなった「シミュレーションが先導する未来社会」について,議論するものである.

プログラム

1.主旨説明

「アカデミックロードマップとは」
横浜国立大学大学院環境情報研究院 山田貴博

2.個別発表

「統計科学と予測シミュレーション」
東京大学大学院工学系研究科 原 尚幸

「エレクトロニクス分野における材料シミュレーション」
NECナノエレクトロニクス研究所 宮本良之

「シミュレーションが拓く新しい社会インフラと理論探査−CFD屋の夢」
宇宙航空研究開発機構 藤井孝藏

「信頼性とシミュレーション」
(株)シグナルコンサルタント 山本正宣

3.パネル討論

司会: 横浜国立大学大学院環境情報研究院 山田貴博

パネリストと司会のプロフィール

(敬称略,あいうえお順)

原 尚幸

東京大学 大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 助教

 1993年東京大学工学部計数工学科卒業後,1999年に同大学大学院工学系研究科博士課程修了.博士(工学).同年より現職.数理統計学,多変量推測統計学が専門.主としてグラフィカルモデル,ネットワーク系のモデルにおける統計的推測の最適性,実用可能性,推測アルゴリズムの設計などの問題を,統計学のみならずグラフ理論,組合せ論,計算代数などの視点から研究を行なっている.

藤井孝藏

宇宙研究開発機構 宇宙科学研究本部 教授および研究総主幹.JAXA情報・計算工学センター長を兼務.東京大学 大学院 航空宇宙工学専攻 教授を併任.

 1980年に東京大学工学系研究科航空学専攻博士課程修了.NASA Ames研究所,航空宇宙技術研究所主任研究員などを経て1987年に宇宙科学研究所助教授,1997年に教授.組織統合を経て現在に至る.専門は高速空気力学など特に数値流体力学(CFD)を利用した研究に従事.国内外の会議での基調講演は解説記事など多数.現在,日本計算工学会会長.

宮本良之

NEC(株) ナノエレクトロニクス研究所 新概念デバイスTG 主任研究員,日本シミュレーション学会理事

 専門は,第一原理計算を基礎とする材料科学.大阪大学基礎工学部を卒業後,1987年にNECに入社した当時から,第一原理計算プログラムを使い始めた.そののち電子のダイナミクスに興味を持ち,現在東大物性研の准教授である杉野修博士とともに,時間依存密度汎関数理論を応用した凝集系における励起状態ダイナミクスのシミュレーションのプログラムを開発した.シリコン,化合物半導体,炭素系材料にて,励起状態ダイナミクスによるさまざまな現象を調べてきた.最近は地球シミュレータを利用したカーボンナノチューブの研究で,ナノチューブ内部の励起キャリアの高速緩和過程などのダイナミクスを調べている.

山田貴博

横浜国立大学 大学院環境情報研究院 教授

 1986年東京工業大学工学部建築学科卒業,1991年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了.学術博士.九州工業大学,東京工業大学,東京理科大学を経て,2001年横浜国立大学助教授,2006年より現職.専門は有限要素法を中心とした数値計算手法の開発と評価.アカデミック・ロードマップ作成に刺激を受け,長期的な視点に立った次世代シミュレーション技術の研究を模索中.

山本正宣

(株)シグナルコンサルタント 取締役,日本大学 大学院理工学研究科非常勤講師

 1966年山梨大学工学部電子工学科を卒業後,2003年博士(工学)(日本大学).2006年に長岡技術科学大学大学院技術経営研究科システム安全系実務家教授などを歴任後現在に至る.日本信号(株)にて,鉄道信号保安装置の開発に従事,鉄道信号システムの安全性・信頼性の構築手法及びそれらの評価に関する研究,鉄道信号の国際規格IEC/TC9/WG40の国際会議委員として規格検討に従事.現在システムの信頼性と安全性の経済的最適化と評価に関する研究を行っている.日本信頼性学会理事,技術士(総合技術監理,電気・電子).

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